梅毒が若い女性に増加。 妊婦が感染すると胎児にも影響し40%の子が死亡する事も

 ここ近年梅毒の年間報告数が急増してきています。
性感染症である梅毒。急増する以前は患者の多くは男性でした。

しかし2011年頃から若い女性の間に梅毒が広がってきています。
危惧されるのが、妊婦が感染した場合の胎児への影響です。流産や死産のほか、赤ちゃんの目や耳、肝臓などに障害が出る先天梅毒になる事もあり、母親から胎児への感染リスクは60~80%。

また妊婦が無治療の場合には40%の児が死に至る可能性があるとされています。

梅毒感染妊婦に対しては, 病期に応じた適切な抗菌薬治療を分娩4週間前までに完遂することで, 先天梅毒の発生を予防することが可能です。


梅毒の報告数は2010年以降増加傾向に転じており、2016年第1〜47週までに梅毒と診断、報告された症例数は前年同時期の1.8倍でした。感染症発生動向調査週報「IDWR」2016年48号では「注目すべき感染症」として梅毒を取り上げ、2016年第1〜47週までの疫学的特徴をまとめています。

国立感染症研究所    IDWR 2016年48号 より 

病原体は梅毒トレポネ−マ(
Treponema pallidum subsp. pallidum)で、直径0.1~0.2 μ、長さ6~20 μの屈曲した6~14施転の螺旋状菌です。


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